いじわるな君の素顔

「そんなに返してほしいの?」

意味深に笑う彼。

「それ、わ、私のだからっ!」

取ろうとしても、軽く交わされてしまう。

「春香っつーの?」

「へ?」

急に名前を読まれて驚く私。

「俺と、同じ名前じゃん。」

あ、そういえばさっき、私も思ったことだ。

「ふーん。」

怪しく笑う彼に向かって、

「か、返してよっ!」

未だに返してもらえない。

跳んでも彼の手元までは届かない。

推定だけど、180はあるだろう。

それに比べて私は、152だから、届くはずがない。

そして、バランスを崩してしまった。

「きゃっ!」

そのまま、彼の胸にダイブしてしまった。