「両親は、どっちも仕事で海外に いるんだよね。 私だけ日本に残ったの。」 そう言うと、 彼はものすごく驚いていた。 このことを知っているのは、 結依ちゃんだけ。 結依ちゃんは、中学校のときに、 何回か家に遊びにきたから。 「お前、家に帰っても一人なの?」 「…うん。」 本当は、寂しかった。 "ただいま" って言ったら、 "おかえり" って返してくれる 環境に憧れていた。