いじわるな君の素顔

たっくんとは、小松拓海(こまつ たくみ)だ。

たっくんとは、家も近くて、親も仲が良かったから、小さい頃から一緒にいた。

いわゆる幼馴染。

「はるも、同じだったんだな。」

たっくんは、私のことをはるって呼ぶ。

なんで?と聞いたら、
「簡単だから」
と、ぶっきらぼうに応えられたことを覚えている。


「うん!私、たっくんと同じクラスでよかった!」

そう言うと、彼はそっぽを向いて

「ん。」

とだけ言い、友達に呼ばれていたからそっちに言った。

「小松、バレバレだなー。」

隣から結依ちゃんが、呟くように言った。

「え?なにが?」

たまに、結依ちゃんはたっくんを見て、なにかを呟く時がある。

けど、聞いても

「ん?なんでもなーい。」

そう言って、いつも隠す。

「えー!なんでよーっ。」

そう言っても、いつも、
「秘密ー」
と言って教えてはくれない。