「わりぃ。これ俺の連れだから。」

上から声が聞こえた。

「はっ。男持ちかよ!」

そう言って去って行く先輩。

「大丈夫か?」

助けてくれた彼が私の顔を覗き込む。

その顔があまりにもかっこよくて見惚れてしまった。

そして、すぐにハッとして、
「あ、だ、大丈夫ですっ!」

「そっか」とだけ言って彼は去って行く。

去って行く後ろ姿に向かって、

「っ!あ、ありがとうございました!」

と、お礼を言った。

そしたら彼は、こちらを振り替えず、右手をひらひらと振った。

か、かっこいい。