「はーるーかー」

教室に戻ると結依ちゃんが呼んだ。

「んー?どしたん?」

聞き返すと、呆れたように、

「どうしたじゃないわよ!なに話してたのよ2人で」

あえて、結依ちゃんは、2人でのところを強調した。

「生徒手帳拾ってくれて、それを返してくれただけだよ?」

嘘は言ってない。

「えー?本当にそれだけ?それなら教室でもできるじゃんっ!」

それは、確かにそうだ。

だけど、それ以外のことなんて…。

さっきの光景を思い出し、忘れようとぶんぶん頭を振った。