振り返ると、そこには、愛梨と遥斗が立っていた。
「てめーらまじふざけすぎ。」
「遥斗だって!さっきサキとふざけてたでしょ!」
「そーだそーだ!愛梨だってずっとケータイいじってたしな。お?彼氏か?」
「はぁっ?!私に彼氏いない事なんて分かってんでしょ。サキほんとむかつく!
ってか一番遊んでるのサキでしょ!」
「まーまー。お前らも手伝えって。ほい。楽しーぜ?な?花。」
「うん。楽しい楽しい!てつだって♡」
サキは2人に雑巾をパスした。
も〜しょうがないなーとか言いながら、二人ともなんか楽しそう。
案の定、そこからはまた元3組4人のペンキ付け合い合戦が始まり、最終的には梨花に怒られた。
「ほんと、元3バカなんじゃない?」
「梨花、辛口すぎ〜」
「まーまー。俺らバカがとりえじゃん?」
「まーそーだね。って、一緒にしないでよ!」
そんなこと言い合って、サキと笑い合ってふざけられることが楽しい。
だめだな。諦めないと、いけないのに。
どんどんサキにはまっていくあたしがいる。
届きそうで届かない、この距離がもどかしい。