中庭に入ると、サキがベンチに座っているのが見えた。



「?花…?」



サキが私に気づいて近づいてきた。



「あ、えっと…」



どうしよう、うまく喋れない。


目が、合わせられないよ…。


さっき覚悟を決めたのに、もう怖くなって下を向いてしまった。


するとサキは、少し困った表情をした。


「あのさ、昨日のこと気にしなくていーから…俺は花と気まずくなる方が嫌だから。

このまま花と話せなくなるぐらいだったら忘れてくれていい。」