原色の涙。2

恋愛(ピュア)

moon1200/著
原色の涙。2
作品番号
1084162
最終更新
2014/08/01
総文字数
0
ページ数
0ページ
ステータス
未完結
PV数
0
いいね数
0

高校を卒業してからは大学に進学したが、親の援助のない私はアルバイトと学業に忙殺されていた。

彼女の事は気にはなったが、月日が忙しく過ぎ去る中に、私の身体は埋没していた。

彼女は……
彼女は私が高校を卒業して暫く経ってから、長い闘病生活に入っていた。
私はそれを知らなかった。

彼女が亡くなった、と聞いたのは彼女の友達からだった。
「彼女ね、あなたの事よく話してたのよ。あなたの話しになるとね、いつもよく笑っていたわ」
「……………」
「彼女にね、あなたに連絡してあげようか?
、て言うとね、駄目って怖い顔して言うのよ」

何故駄目なのか彼女の友達は、
「分からない」
そう言った。


彼女が亡くなったと聞いた時、私は何故か、青葉城恋唄の、「七夕の飾りは揺れて」の歌詞を思い出していた。

私は今も七夕の祭りを観に行く。
彼女が亡くなっても夏になれば七夕の祭りはやってくる。

七夕の飾りが風に揺れ、さらさらと鳴く。
その度に私は足を止め、空を見上げる。

「ここよ!どこみてるの?こっちよ」
彼女の笑い声が聞こえてきそうな錯覚を覚える。

あの時………
あの時、好きだと言えば良かったのか………
今は、もう分からない。

この頃になってやっとこの言葉が言えるようになった。

さようなら、先生。

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