学校で教えられる事は、この世界で生き延びていく術だが、戦争に参加していたタツヤにとっては教えられるまでもない事だった。


彼は詰まらなそうにガラスのない窓から空を覗き見る。

どこまでも青い空は全てを包み込んでいたが、彼には全てを嘲笑っているように思えた。

「タツヤ!どこを見ている!」

先生の怒鳴り声を聞き、ため息をつきながら黒板代わりのホワイトボードへと集中する。

彼は授業を聞きながら全く違うことを考えていた。


それは3年前、イギリスでの事だった。