しばらく彼は一人で
そうか…。確かに一人に絞ると殺されたようなものか…。
とかなんとかぶつぶつとつぶやいていた。

「私があんたを殺さなくてもいいように、あんたが死ぬ気がなくなるまでこのカメラ預かっといてあげる。名前は?」

「おぃ、勝手に預かってんじゃねーよ。俺のもんだ」

「あんたがただ私を撮りたいってんだったらいつでも写ってあげるけど、死ぬなんてほざく間は返さない。
とりあえず名前教えなさいつってんのよ」

「君は女の子なのに口が悪いな…。
俺はシン。シンだよ」
「苗字は?」
「ミツジ。
そっちはどうなんだ?君の名前は?預かり主さん」

ホッとした。彼…シンは私にカメラを預ける気になったのだ。

「レン。アサノ レン。」

「レン。君いくつ?」

「17、あんたは?」

「レンの10コ上」

「27?」

「ああ」

こんなにもドキドキする相手が10歳上だなんてどうかしちゃったんじゃないの私。