To you the "love" of the last


「やきそば♪やきそば♪」

目の前にはやきそばの屋台

もー少しだ!

「すいません、やきそば一つ!」

「悪りぃなあいにくさっきのお兄さんで最後だったんだよ」

なんですってーー!?

「そ、そうですか…」

私はトボトボとたっくんと待ち合わせてるベンチへ向かおうとした

やきそばの屋台なんて探せばもう一軒くらいあったと思う

だけど、クタクタでそんな気力すらない

「あー、私のやきそばぁ」

ドンッ!

「…あっ」

誰かと通りすがりにぶつかり、私は倒れた

「いたたた」

着慣れない浴衣に履き慣れない下駄。

足の親指と人差し指の間から血が出ていた

もーー!最悪。
普通の格好でくればよかった
てゆーかたっくんがやきそばの屋台さえ通り過ぎなきゃ私絶対やきそば買えたよね!?

「なーにそんな所で泣きべそかいてんだよ」

見上げるとそこにはたっくんがいた

「ほら、人の邪魔になるから行くぞ」

ヒョイっと私を抱きかかえ
ベンチへと連れて行く

「恥ずかしいから、おろしてよ」

「歩けないくせに調子ぶっこいてんじゃねーよ。ったく」

完全なる図星でございます。汗

たっくんは私をベンチに座らせてくれた

「ありがとう、たっくん」

ニコッと笑い頷いた

たっくん本当は凄く優しいの私知ってるもん