廊下の角でばったりと椎名さんと出くわす。 なにこの人。神出鬼没なんだけど。 「……お疲れさまです。今日は、友達の家に泊まるので」 嘘じゃない。 今日は葵ちゃんの家にお泊まりをしに行く日。 もはや恒例となっている月に一、二回のお泊まり会。 特に何をするでもなく、テレビを見たり、話をしたり。 ただそれだけだけど、それが楽しい。 「へぇ。いいね。楽しそう」 「……じゃあ」 あまり話はしたくない。 そう思ってペコリと頭を下げて帰ろうとしたら、「ねぇ」と声を掛けられた。