『美里さん!この子を俺にくれ!』


ぎゃー!気持ち悪い!

いまだ握られた両手から全身にかけて鳥肌がゾワゾワとたった。

何なのこの人!くれって一体どういう意味!?


『監督もしかして…』

『あぁ、俺のイメージにピッタリだ!俺の直感に間違いはない』


嬉しそうにお母さんを見る男の人。
お母さんはしばらく考えていたけど、『まぁ、いいわ』と言った。


『監督には色々お世話になったし。そういうことだから汐里。頑張ってきなさい』


だ、だから一体何の話なのよー!!