ひくり、と顔がひきつった。 「……ちなみに、それはどんな内容でしょうか」 「朝倉さんがオレをマンションまで送ってくれて」 それ、現実です。 「水を注いでくれて」 それも、現実。 「それで……」 ちら、と私を見る椎名さん。 最後まで聞く勇気は、私にはなかった。 「や、やっぱりいいです!」 なにこの人!全部綺麗に覚えてるじゃん! ただそれが、夢なのか現実なのか本人にもわかってないみたい。 さっきまでの複雑な気持ちはどこかに綺麗に吹き飛んだ。 ここは何としても夢だと思ってもらわなくちゃ!