昨日の光景が一コマずつフラッシュバックする。
酔っ払った椎名さんを家まで送り届けて、そこで……。


「うぅ」


恥ずかしくてその場にしゃがみこむ。
そして頭を抱えてうなり声。
誰かに見られたらますます皆との距離が遠くなりそうだけど、そんなこと今はどうでもよかった。

ない。

私って、本当にない。

椎名さんのことを軽そうとか言っといて、簡単にキスしちゃった私ってなんなの。

いくら練習っていう名目をちらつかせられたからって、それにあっさりのるなんて!
自分で自分が信じられない。