「じゃあ、オレと練習する?」 「え……?」 「キス」 上半身を起こした椎名さんにグイッと腕をひかれた。 え、ちょっと待って! なにこれ、一体どういう状況? まともに回らない頭で困惑したまま椎名さんを見る。 ソファの上。 椎名さんの足の間に挟まれる形で向かい合う私たち。 「あ、あの!」 「顔、真っ赤だけど」 「そ、それは!」 クスクスと笑われ俯く。 生まれて二十年。こんな風に男の人と接したことがないんだから当たり前!