「もうすぐキスシーンがあるのに…、私、キスしたことないんです」 あぁ、言っちゃった。 言ってから、じわじわと恥ずかしくなってきた。 私、椎名さん相手に何言ってるんだろう。 椎名さんの酔いにつられて、私まで頭がまともに回らなくなったのかもしれない。 「あ、あの!私、帰り…、」 立ち上がろうとしたら腕を掴まれた。 「し、椎名さん……?」 強い力に、どことなく熱のこもった強い視線。 さっきまでと違う空気に、ごくりと喉が鳴る。