『あら、汐里来たのね』 今日もバッチリ化粧をして、まるでキャリアウーマンみたいなお母さん。 中堅とはいえ、一人で会社を起こしてここまで成長させたんたがら、実際仕事はできる。 『うん、えーと、お茶いれる?』 『そうね。お願い。で、持田監督。いい人は見つかったの?』 『それがなぁ、中々こいつって女優がいなくて困ってるんだ』 弱った声音で深いため息を吐く男の人とお母さんの会話を聞きながら、給湯室へ。