電車を降りた私は、半ばパニックになりながら携帯を取り出した。 呼び出し音が切れたと同時に喋り出す。 「あ、葵ちゃんどうしようー!」 『はぁ?一体どうしたのよ』 「こんなシーンあるなんて聞いてないよー!私ただの脇役なのにー!」 『ちょっと落ち着きなさいよ。何があったの』 えぐえぐと半泣きの私。 通りすぎる人が私を避けて行く。 「キスシーンがあるの!!」 『…………は?』 「だから!キスシーン!!」