「朝倉さん!これ、第二話の台本です」


「あ、はい。ありがとうございます」


受け取った台本をバッグに入れて今度こそスタジオを後にする。

外はもう薄暗かった。

事務所へ寄って帰ろうと思って地下鉄へ。
電車の中はそんなに混んでいなくて、空いているシートに腰を下ろす。

ふとさっき貰った台本のことを思い出してバッグから取り出す。

うわー、やっぱりセリフ量多いよー。

主役の二人に比べて登場シーンは少ないんだけど、その分一回のシーンにセリフがぎっしり。
そんなに喋りたいのかとうんざり。

駄目だぞー、ユミ。

シンは、あんたみたいな勝ち気な女の子はタイプじゃないよ。

ってわかった風に忠告。