「栗林君はこのへんに住んでるの?」 「龍太でいいよ!」 「あ、うん」 「このへんには住んでねぇよ。 ばあちゃん家があるから、夏休みだけ来てやってんのな」 見た目はどちらかといえば、ちゃらけた感じなのに、優しいんだなぁと思った。 「どこから来たの?」 「東京だよ」 「私も住んでたよ!東京」 「どうしてこっち来たんだ?親の転勤?」 「....」 親が死んだなんて言いたくなくて黙りこくってしまった。