未來side6月

『一ノ瀬プリント教室から取っ手来てくれるか?』

「はい!」

急がないと…。
2組から話し声がする。

『なぁー3組の一ノ瀬ってかわいくね?なぁ!碓氷!』

「そうかな?僕はやめといた方がイイと思うけど」

えっ?碓氷君?
なんで、そんなこと言えるの?あたしが馬鹿だったみたいじゃん。

「あっ!一ノ瀬…さん…待って」

やだやだやだやだやだこないで。

「一ノ瀬!」

えっ?!

「あれは、嘘なんだ」

「嘘であんなあんな酷いこと言うの?」

もう、これ以上涙を流させないで。

「一ノ瀬が好きで、誰にも取られたくなかったからだから、だから!」

す……き?

「言い訳なんか聞きたくない!」

「未來!」

チュッ!

あたしの唇に重なった碓氷君の唇は優しかった。

「これで、もう嘘じゃねぇってわかっただろ」

「うっす…いく…うっ」

また重なった碓氷君の唇

「返事教えて」

「あっ、あたしもずっとずっと、碓氷君が好きだった!」

「これで、決まりだな!」