ドクッドクッ.......


どうすればこの心臓は止まるのだろう。


でもこの緊張感、嫌いじゃないんだ。

「set....」と、スターターの人はゆっくりと言った。

俺はゆっくりとお尻を上げスタートの体制をとる。

もうなにも考えることなんてない、ただ走ればいいんだ。

バトンを智也に渡すだけでいい!

みんなにつなぐんだ!.......

パンッ

そんなことを胸に思う中、高校三年の春、一回目の試合が始まったんだ。