学校帰り、
あたし達は海に来ていた。


「キャッ。冷たーいっ」

学校から歩いて20分ぐらいの所にある砂浜で靴を脱ぎ捨ててはしゃぐ彩音。

ここは、
あたしと彩音が初めて会った場所だ。

「ゆめもおいでよー♪冷たくて気持ちいいよっ」

ニコッとあたしに笑いかける彩音。

その笑顔はいつもの彩音の笑顔と一緒だった。



でも、
「彩音、あたしに何か隠し事してない?」


「え…っ」
一瞬目を丸くした彩音。

だけど直ぐに真剣な表情に変わった。

「そ…うだよね…っ。ゆめにはちゃんと言っておかないとダメだよね…」


「あたしね、夏休みに入ったらアメリカに行くんだ…」



アメリカ…?

「と、突然どうしたの!?アメリカなんて…っ。あっ!!ホームステイとか!?あたしもしてみたいと思ってたんだよねー…」


彩音は黙って下を向いたままだ。