「じゃあ行こっか」

りかが突然言った。

「へ?行くってどこに?」

「決まってるじゃん。千夏様のとこ。このまま引き下がるわけにはいかないでしょ」

りか……
りかの潔さに感動した。


「止めてくれ!そんな事したら俺達の家族は……!」

男達は部屋を出ようとするりかに懇願した。


「悪いけど、あんた達の家族の事なんて知らない」

り、りか……それはあんまりなんじゃ……。


「大体そんな酷い事する奴が大人しく返すと思う?用が済んだらあんたも家族も殺されて終わるだけよ」

確かに……
あの時の平田君……怖い顔で笑ってた。
顔は笑ってないけど目は笑ってない。
そんな感じ……。


「それは……」

「良い歳したおっさんが高校生に良いように動かされてんじゃないわよ。男ならねぇ、どんだけ相手が怖くても立ち向かいなさいよ」

なんかりか……お母さんみたい(笑)

「……」

「千里!行こ!」

「う、うん!」

りかのお母さん性に拍子抜けしていた私はりかの声で我に返って、りかに着いて行った。

りかの迫力に圧倒されている男達を残して。