「っ……」

体が震えてる……

やっぱり怒っちゃったよぉー!


「俺らだって仕方ないんだよー!(泣)」


……え。

泣いてる?


体が震えてたのは泣いてたから……?


「はぁ?」

ていうかりか、そんな傷なのに平気なの?


「俺達は……家族を人質に取られてる」

「「……え」」

りかと私が同時にためらいの声を漏らした。


それって……『脅迫』なんじゃ……。

千夏様がそこまでしてるの……?


「ふーん、誰にそんな事されたの?」

「ひ、平田って男から……返して欲しければ、なぎ平千里と熊本りかを始末しろって……」

「なるほどねぇ」

ひ、平田君……
何でそこまで……千夏様の為?

だとしても……

私はその時、俊さんを思い浮かべた。

『同じ人』を好きでもこんなに違うんだ。