千里saidー

「どうでしたか?今日の授業は」

「どう、って?」

「つまらなかったですか?」

「え、うん、まぁ」

正直祐助の事とか俊さんの事色々考えてたから授業まったく耳に入ってなかったな。



「貴方、千里さんに余計な事吹き込んだでしょ」

ん?

この声は千夏様?

喋っているのは……秋音さん?


「変な事言わないで。私は何も言ってない」


「そ。なら良いわ」


千夏様はその場から離れた。



「あら?貴方今朝の……」

「なぎ平千里です。あ、あのごめんなさい。盗み聞きするつもりは……」

「大丈夫よ。怪しんでないから。それより貴方、千夏様に何かされてる?」

「え……」

「されてるのね」

「……はい」

何でこんな事聞いてくるの?
秋音さん。


「俊。悪いけど席、外してくれる?」

「かしこまりました」


「千里ちゃん、あの噂、知ってる?」

「あの、噂?」

もしかして……

「祐助君と千夏様が婚約するかもしれないって噂」

やっぱり。


「は、はい」

「あれは嘘。つまり、千夏様が流したデマ」

え、デマ!?

生徒全員騙されてたの?


「あの女はそういう奴よ。自分が幸せになる為だったら何だってするの。そのせいであの子は……」

あの子?
もしかして……

「あ、あのその犠牲になった子って……」

「夏音を知ってるの?」

やっぱり。
この人、夏音先輩のお姉さんだ。