「「千夏様、おはようございます」」

ビクッ

周りの人の声に反応した。


やっぱりまだ怖いな、千夏様。



「千里さん戻ってきたのね。貴方とは決着つけたかったから良かったわ」

皆の前でそういう事言わないでよ。


「祐助の事は諦める。でも、貴方と勝負がしたいの」

「勝負?」

「そう。明日から始まるテストで5教科すべて私より上の点数が取れたら貴方の勝ちよ」

え、え!?

「じゃあね」

笑いながら千夏様はその場を去った。

自分が勝てるっていう自信があるんだ。


「大分不利だよ千里ー」

「え?」

千夏様が去った後、りかが言った。


不利?


「千夏様って、入学してからずーっと学校全体で1位取り続けてるんだって」


……え。

それって……かなりヤバイじゃない!


「祐助ー、どう思うー?」

りかがまたからかうように言った。


「無視しとけ。あの女の言う事真面目に向き合えばどうなるか目に見えてるしな」


「無視?」


祐助は部屋に向かって歩き出した。


無視……。



「祐助なりに心配してるのよ。口は悪いけど根は良い奴だし。あ、好きとかそういうんじゃないからね?」

「心配……してくれてるんだ」

なんだか嬉しくなって、私は祐助を追いかけた。



「面白ーいニヤニヤッ」