「それより、この状況は酷いな」

「……うん」


酷いのはこの部屋の状況。

私の部屋。


教科書はずたずた。
家から持ってきた服はタンスから抜かれていて、部屋に散乱。
ノートなんて、もう何か分からないくらいにずたずたに引き裂かれていて。


この状況を見てとても胸が苦しくなった。


もしかしてこれも……

「これも、千夏様が……?」

「ちげぇよ、多分俊だ」

「俊?」

そんな人、いたっけ?

「千夏様の執事業平俊だ」

ち、千夏様の執事……。


「取り合えず、片づけるぞ」

「あ、うん」

祐助の手を握り立ち上がって、部屋の片づけを始めた。



「これは……もう使い物になんねぇな。新しい教科書とノートもらってくるから千里様は部屋の片づけしてろよ」

「あ、うん」


バタンッ


祐助は部屋を出た。




……私、祐助にとっても迷惑かけてる気がする。