執事の日常とお嬢様の学校

祐助saidー

「……」

俊の話を聞き終えて、俺は黙った。

一体こいつは何が言いたいんだ?

「千夏様は貴方に執事以上の気持ちを抱いているのですよ」

「し、『執事以上の気持ち』……」

何だよ……それ。
わけわかんねぇ。


「そういえば……千里様の方は大丈夫でしょうか」

「は?」

千里がどうかしたのか?


「千夏様は千里様を非常に恨んでおりますので、今頃……」

「なっ!っ!」

俊の言葉を最後まで聞く前に俺は食堂に向かって走った。


もし……もし1年前みたいに……。

そう考えるだけで嫌な予感しかしない。

頼む!
千里、無事でいてくれ!



俺は必死で走りながらそう願った。


「クスッ」

後ろで俊が笑っている事も知らずに。