「流伊覇姉さん。念じて、思いっきり。
流伊覇姉さんの魔法で、雛深姉さんはきっと生きれるから。」
「お姉ちゃん…。」
部長の手を握った。とても冷たく、でもまだ鼓動はあった。
「お姉ちゃん、お願い。生きて。
まだ、何もしてないじゃん。
今あたし思い出したよ?奇跡だよね。
お願い。お話したいなぁ…。」
涙がどんどん溢れていく。
「…流伊覇姉さん。もう一つ、実はいってなかったことがあるんだけど。」
垢琉が申し訳なさそうに、手を挙げた。
「圀宮籍は、死後のセカイなの。
だから、圀宮籍は、死人と魔法少女しか来れないの。
流伊覇姉さんは、魔法少女だから来れる。
でも、向こうの世界の住人…。
姉さんは、苗字変わったからもう向こうの住人なんだ。
姉さんがもし圀宮籍にきたいっていっても、死なないで、なんて言わないでね?」
「お姉ちゃんの為なら。」
にこっと、笑って見せる。
向こうの世界では、お姉ちゃんを待っている人はたくさんいる。
こっちのセカイは、2人だけ。
お姉ちゃんの好きな方でいいと思うから。
お姉ちゃん、もしこれが聞こえてるなら…。
「目を覚まして欲しいなぁ」
涙が溢れる。
「お姉ちゃんは、どっちがいい?」
「うーん、そうだね。迷うなー、えへへ」
ばっとお姉ちゃんを見てみると、目を開けてこっちを見て笑っていた。
「お姉ちゃんっ…!!!」
「雛深姉さん!?」
「垢琉も流伊覇も、大きくなったね。」
「姉さんっ…!」
垢琉がお姉ちゃんに抱きつく。それを見て、なんだかとても幸せな気持ちになった。
「お姉ちゃん…
お姉ちゃんは、どっちで暮らしたい?」
「お姉ちゃんね、圀宮籍に行く。
織くんのことは、大好きだけど。
織くんを、ずっと撮り続けたいから。
あっちの世界だと、でも垢琉たちには会えないよね。
でも、圀宮籍だったら、織くんからは見えないけど。
ひなは、織くん見えるじゃん。」
垢琉が「おりべ?」といったので、「不良のひとだよ」と言ってあげた。
「よーし、じゃああたしも、圀宮籍に住むことにする!
向こうでは死ぬけど、でも。
幸せだからいいのだー!!!」
そう叫ぶと、みんなで笑いあった。