「じゃ、るーさんは明日授業終わったら圀宮籍来て。てか、裏庭で待ってて。」
垢琉に見送られ、圀宮籍を出た。圀宮籍の入口はここの木らしく、裏庭からしか来れないらしい。
「これって、現実かなぁ。」
ふと、そんなことを思ったりしたのだ。
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「魔法少女ぉ?」
夜、弥奈と電話したので、ちょっと圀宮籍のことを話してみた。
「うん。なんか垢琉ってゆーちびがいて、
それで圀宮籍があってね、」
「うーん、ラノベちっくだねぇ」
信じてもらえてないと思うが、あたしは全部話した。
「圀宮籍は中のセカイでさー、って垢琉がいってた」
「あははー。疲れてるんじゃない???
名字のない男の子なんて有り得ないよー。」
ほら、信じてもらえてない。
「ほんとなんだってば。」
「うん、信じたということにしよう。」
そのあとは、弥奈とくだらない話をした。


弥奈「流伊覇、部活きてよー。ひま」
流伊覇「え、今日いったのー??」
弥奈「今日じゃなくて。いつも写真部うちと部長だけだもんっ」
流伊覇「でも部長は裏庭でしょー。」
弥奈「そうなのそうなの。恋でもしたかな???」
流伊覇「裏庭かー。そういえば、あいついたよ、不良のさぁー。」
弥奈「あー、なんかインコだっけ?そんなよーな名前の」
流伊覇「かなりあ?だっけ。」
弥奈「でもあいつじゃ部長とはつりあわないだろーwww」
流伊覇「裏庭ほかにだれかおるかなー。」
弥奈「明日聞いてみるね、部長に」
流伊覇「明日は授業おわったら圀宮籍だから。ばいばーい」
弥奈「まだ言ってるww おやすみっ」


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「お、来れた?すごいね、るーさん」
「まーね。魔法の練習したいしさ」
圀宮籍はアッサリ来れた。昨日垢琉がぶつぶつ呟いていた魔法(?)を唱えたらすぐ来れた。
「あははー、流石だね
よく覚えてたね、魔法」
「記憶力はいいからさ。」
だいぶ前だけど、部長に記憶力を褒められた。それからずっと記憶力はあたしの自慢なんだよね。
「といっても魔法なんて念じるだけだからね。
殴るのとか避ける練習もいると思うよー。」
「え、空手部みたいー。」
「でも、制服で戦うんだしさ。避けないと脱げちゃうよ。」
「ばか。」
垢琉にでこぴんをした。垢琉は「いたっ」
と涙目になった。ショタかって。
といっても。
練習しろと言われても、どうすればいいのさ。
あたしはただの女子高校生だから、魔王(だっけ)に勝てっこないのに。
「じゃあ今日は、体力づくりねーっ!!!
3キロ走るよっ」
「3キロ!?どこかの運動部じゃないんだからさー。」
すると、垢琉にていっと叩かれた。
「何甘いこといってんのさっ
るーさんの世界も滅びちゃうよー???」
それは嫌だわ。しょうがない、と走ろうとすると、垢琉が「それに」と言った。
「絶対に勝たなきゃいけないからさ。」
その時の垢琉の目は、とても真剣だった。