「目を瞑って。」
裏庭で、目を瞑らされた。すると垢琉が何か唱え始めた。
「いいよ。」
目をあけてみると、そこはいつもの裏庭だった。
「なぁに、なんもかわってないじゃん。厨二病。」
「嘘だと思うならあそこの怖そうな不良の人にビンタでもしてきなよ。」
同じクラスの、授業不参加の不良がいた。
試しに殴ってみる。しかし、殴れない。
不良の3ミリ手前で、止まってしまうのだ。
「ここは、圀宮籍。人間の世界にある、もうひとつのセカイだよ。」
「は?なにそれ。」
「人間の世界の中に、圀宮籍はあるの。
世界の中にあるセカイだよ。」
理解できなかったが、まぁそれはいいとして。(よくない)
魔法少女に、あたしはなってしまったのだろうか。
「魔法は、使える???」
「知らない。試してみれば。
基本は空飛ぶのだけど、流伊覇…るーさんは戦う魔法少女だから」
何故かるーさんと呼ばれるようになってしまった。
「戦うために、物をとばしたりしてみたら。」
物をとばすのか。なるほど。
あたしはそこらへんのものを取ろうとした。
でも、あと3ミリ、届かない。
「あ、るーさんごめん。
3ミリを一部だけ破る方法教えるね。」
初めて魔法を教わったが、簡単。ただ、念じるだけらしい。
他の魔法も念じればいいらしい。
「あ、とれたとれた。」
落ちていたカメラを手にとって、念じた。
(このカメラよ…。)
「垢琉に向かって、思いっきり飛んでけ!!!」
「ばっかやろぉぉぉ、ちょ、おまごふっ」
垢琉のほっぺに激突した。
「痛いなぁ!るーさん、何してくれんだよ!危険でしょ!カメラ壊れたし」
「ぱーどぅん?」
「おい流伊覇。」
垢琉に怒られた。念じただけなのに…。
流伊覇って言われたし。
「こっちで壊れたものは向こうの世界に出せば治るからいいけどさ…。」
垢琉が出すと、治った。
「で、魔王はなんか圀宮籍を滅ぼそうとしてるの。
圀宮籍を滅ぼして、自分の国をつくろうとしてるんだ。
圀宮籍が滅びたら、人間の世界も滅びるから、協力してよ。」
「うーん、しょうがないなぁ。」
魔法少女、楽しいし。と思って軽くOKした。
この時はまだ、知らなかったから。

圀宮籍を守ることの、本当の目的を。