動けなくなっていたら歌い終えた彼と目があった。 『あっ!』 私は何も言えず気付いたら病院を出ていた。 歌い終えた彼が何か言っていた気がするけど、走っていた私には聞こえなかった。 家に帰っても彼の歌声が頭から離れない。 すごく心地のいい声だった。 いつもどうり、親は不在でご飯も机にお金が置いてあるだけ。 でも、なんでかな。 『いつもより、イライラしないな。』 これは、あの歌声のお陰なのか気分なのかはわからない。 でも、その日の夜はぐっすり眠れた。