「さ…麻衣
少し挨拶に回って帰るぞ。」

「あ、はい。」

私は翔平さんに連れられて
翔平さんのお仕事関係の人達に
挨拶に回った。


やはり私は幼く見えるのか
私の年齢を皆が訪ねてくる。


どんなに気繕っても
私は子供扱いだ。

私の年齢を聞いて皆が
バカにしたように笑った。

「疲れたか?」

帰りの車の中で
翔平さんが私の手を握って言った。

「少しだけ。でも大丈夫。」

子供扱いされたことは悔しかったが
真央さんという
素敵な人と知り合うこともできた。


悪いことばかりではないと
思えた分、私は耐えられた。

由香里さんも歩んで来た道。


由香里さんはもっと酷いことを
言われたかもしれない。
そう思うと
こんな事でクヨクヨできない。


私は車の窓に映る自分を見て思った。

もっともっといい女になろうって。