貴方に魅せられて3

「はい!できあがり!
んー!ワタシってほんと天才!!」

シマコは自画自賛しながら
椅子をくるっと回して
私を翔平さんの方へ向けた。


雑誌から目を上げた翔平さんは
驚いた表情を見せた。


知っている。この表情は
可愛いって思ってくれているってこと。

「ね?天才でしょ?天才でしょ?」

シマコは翔平さんに尋ねる。

「うっせぇな。麻衣は素がいいんだよ。
でも…ありがとな。」

翔平さんは少し照れながら言った。

「んもうっ!ツンデレー!!
たまんない!
ワタシのまいまい、泣かさないでね?」

最後の部分だけ
すごく怖い声だったので
私は一瞬シマコを見てしまった。

「誰がテメェの麻衣だよ。」

翔平さんはそう言って私の腕を掴んで
引き寄せた。


ぽふっと翔平さんの腕の中に収まる。

「お似合いよ。まいまい。」

シマコは軽くウィンクをしてくれた。


翔平さんに釣り合いたい。
そう思った頃が懐かしい。
シマコの褒め言葉は
何よりもうれしかった。



私はぽっとほっぺを染めて
翔平さんに腰を抱かれたまま
お会計を済ませる。

「じゃ、
パーティー楽しんでらっしゃい。」

シマコは私の背中を押すように
声をかけてくれた。