「ねぇ翔平さん。
パーティーの件なんだけど
さっき陽翔が言ってた大丈夫か?って
どういう意味?」

「ああ。由香里に聞かなかったか?」



「聞いた。きっとたくさん
嫌な思いをするだろうって…」



翔平さんはこくんと頷いた。

「俺と兄貴は親父に昔、由香里を初めて
公の場に連れて行った時の話を
聞かされたことがあるんだ。
由香里はずいぶんな言われようで
心底傷ついたことを知ってる。
だから兄貴は心配してたんだ。」




「…そっか。」

「俺の嫁になった以上
避けては通れない道だ。
でも、俺がついてる。
どんなことを言われようと
お前は俺の妻なんだ。
胸を張っていればいい。」

優しく頭を撫でてくれる翔平さん。


私には翔平さんがいる。
大丈夫。
私は翔平さんの妻だ…

「わかった。」

私は笑顔で答えた。


その笑顔を見て
翔平さんも笑ってくれる。





いつもより長く
濃厚な時間を過ごせた私は
すやすやと翔平さんの腕の中で
眠りについた。