「孝(タカ)ちゃんだって
ふと思い出したように
麻衣ちゃん元気かなぁとか
たまには顔が見たいなぁ…とか…」

由香里さんはブツブツつぶやく。

「え?叔父様が?」

私がきょとんとすると

「あぁ!?
親父までんなこと言いやがって
麻衣は俺のもんだぞ!」

苛立つ翔平さん。




「由香里チャンだって
麻衣のこと大好きじゃないか?」

陽翔がクスッと笑う。

「そ…そうよ!
私も麻衣ちゃん大好きだもん!」

由香里さんにそう言われて
私の顔が赤くなる。


「麻衣!そんな顔兄貴に見せんな!!」

翔平さんがガバッと私を抱え込み
私の顔を隠す。


隠された私の顔は笑顔だった。




幸せだった。



こうして森山家の人たちに
好かれていることが。
家族として歓迎されていることが。