由香里さんは
シマコの手を握って力を込める。


「私ね、女の子が欲しかったの。」

由香里はそう言ってニコッと笑った。

「私のお化粧品でよかったら
使ってみない??
お洋服は…シマコちゃん背が高いから
着させてあげられないわねぇ…
私今度シマコちゃんに
似合いそうなお洋服探して来るわ!」

由香里さんは
子供のようにはしゃぎながら言った。


シマコ困惑の表情で翔平さんを見る。



翔平さんは苦笑いして…

「悪りぃな。
由香里はこーゆー女だから。」

そう言った。

シマコは泣きそうになるのを
必死に堪えていたが
やっと自分をさらけ出せる人たちに
出会えた喜びに耐えられず
涙を流した。

「や!やだ!シマコちゃん!
名前気に入らなかった?」

由香里が慌ててシマコの顔を覗く。
シマコはふるふると首を横に振って

「ごめんなさい。嬉しくて…
2人ともありがとう。」

そう言って笑った。