貴方に魅せられて3

翔平さんは軽く舌打ちをして
フェンスにもたれかかって
どかっと座った。

「あ…あの…」

か細い声でシマコが翔平さんに
声をかける。




「助けてくれてありがとう。」

シマコは恐る恐るお礼を言った。



「んぁ!?
別にお前を助けたわけじゃねぇよ。
ここは俺が昼休みを過ごす場所なんだ。
あんなことされてたら胸クソ悪りぃ。」




シマコは散らばった自分の荷物を
カバンへとしまい始めた。

「キミ…森山くんだよね。
本当に一匹狼なんだね。」

シマコがボソッと言った。


森山グループの御曹司。
それだけで
翔平さんは一目置かれる存在だった。


校内で
森山翔平を知らない人などいない。

お金持ちで整った容姿。
女の子の憧れの存在だ。


でも、翔平さんは男子生徒とグループを
作ることもない。

グレる前の翔平さんは女子にも
あまり興味を示さなかった。


一匹狼という存在だった。