高校1年の夏休みが明けた頃だった。


シマコはまだ
島村三郎(しまむら さぶろう)として
生活していた。


翔平さんとシマコが通うのは
大学付属の学校で
シマコは中等部の頃、転校して来た。
シマコの家も
かなりのお金持ちだったらしい。


転校して来た当初のシマコは小柄で
女の子のような綺麗な顔立ちで
女子からも男子からも
可愛がられていた。


その頃からシマコは
声変わりが始まっても
中性的な高さの声で
女の子と間違えられても
おかしくないような子だった。

シマコはその頃から
自分の異変に気づいていた。


男子はサッカーや野球などの
スポーツに興味を示す中
女の子の着る服や髪型
雑誌などで見るアイドルに
夢中だった。

シマコはもちろん
その事はだれにも言わず
学校では男子の話題に
無理やり合わせていた。