私は帰ろうとする由香里さんを
必死に引き止めた。

やがて翔平さんのリムジンが
迎えに来てくれた。

翔平さんが車から降りて来ると
通行人達は翔平さんに見とれる。

すらっとした長身で
スーツをぱしっと着こなして
私だって毎日見ていても
見とれてしまう。


そんな彼が私の旦那さんだなんて…
信じられないくらいだ。




「由香里、久しぶり。」

由香里さんに微笑む翔平さん。
その笑顔だけで胸が高鳴る。

「ね!翔平さん!」

私は離れようとする
由香里さんの腕を
しっかり握って離さない。

「どうした?」

「由香里さんも!
由香里さんもディナーに!」

私が少し照れながら言う。



翔平さんが驚く。
その表情を見て由香里さんが
申し訳なさそうに言う。

「ほ…ほら、私はいいから。」