「麻衣ちゃん。
あなたが思う以上に
この世界は恐ろしいわ。
翔ちゃんとの交際を願った私にも
責任がある。」

由香里さんが申し訳なさそうに
眉をひそめる。


私はそんな由香里さんの手を握り返す。

「由香里さんが乗り越えてきた道です。
私も乗り越えて見せます。」

本当はすごく不安だ。

お金持ちたちの集まりが
一体どんなものなのか。

この先どんな事が待ち受けているのか。
でも、由香里さんや翔平さんがいれば
私はなんだって乗り越える。







そう思っていた。








…この時までは…





この日の言葉を後悔する日が
私に訪れるなんて…