正直私はうれしかった。



私に素敵な親友がいるのは事実だ。
私には優子(ゆうこ)という
親友がいる。


ただ、優子は短大を卒業して
保育園で働くようになり
毎日忙しくなかなか会えていない。
シマコも私の親友だが
シマコも多忙で
美容院に行かないと会えない。

花嫁修業で本家へ通い
家に帰れば帰りの遅い翔平さんを
ぼーっと広い部屋で待つ。
そんな毎日に
どこか寂しさを感じていた。


だからこうして日常を笑いあえる
相手ができてうれしかった。

それはきっと、真央さんも同じ。


だからあんな友達でも
誰かと話せるなら
それでよかったのかもしれない。



真央さんに出会わなかったら
私もそのうち真央さんがしていたように
必死に外面だけの友達を
求めていたかもしれない。



私たちは働かなくても
十分なお金があって時間もある。



それはすごく幸せなことだ。

でも、それを楽しめる
本当の友達がいない。


確かにそれは孤独だろう。




セレブという
華やかさに見え隠れする影…



陽翔はこれを私に
教えたかったんだ…