貴方に魅せられて3

「みんなね、一人になるのが怖いのよ。
だから自分を着飾って人気者になるか
その取り巻きになるか…
そうやって自分の居場所を探すの。
お友達を繋ぎとめる力がなければ
孤立してしまうわ。それがこの世界よ。
一般庶民の貴方には
理解出来ない世界でしょうね。
でも、貴方はそれを知って
そのバッグを持って来たんでしょう?」




なんて悲しい人達の集まりなの?
見栄を張って
自分の方がお金持ちだなんて見せつけて
何が楽しいの?



そんなことのために
親やご主人が稼いだお金を使ってるの?
聞いて呆れる…



「これは…
翔平さんのお兄さんが
セレブの世界を見せてやるって
渡してくれたものです。
新作の限定品だなんて
私は知らなかった…」

真央さんは私の顔を見ずに
耳だけを傾けている。