中から出て来たのは…



「わぁ。素敵なバッグ…」

「麻衣にあげる。」


陽翔が私をみつめながら
ニコッと笑った。

「え?」

私は慌てて

「ちょっと!やだやだ。
こんなの貰えないよ!」

と言うが
陽翔は私の持っていたバッグを奪い
中身を新しいバッグに詰め替え始めた。

「は…陽翔!?」




荷物を詰め替えると
私にそのバッグを差し出した。

「これでセレブの世界ってやつが
どんなもんかわかるはずだよ。」

そう言って陽翔は私にウィンクした。




「これは預かっておくから。
がんばれよ。」

陽翔はそう言って
真央さんのマンションの前で
私を降ろすと背中を押すように
そう告げた。




私は訳がわからないまま
とりあえず陽翔の言うとおり
陽翔からもらったバッグを握りしめ
マンションへと歩いて行った。