バタバタと廊下を駆ける音が聞こえた。

硝子の割れた音を聞きつけたのだろう。

美しい嫁様が客間をのぞき込んだ。

ああ、やっと助かる。

お水をください。

お水を ――――



ビチビチと痙攣を続ける私を見て、嫁様は眉をひそめた。

歪んだ顔も途方もなく美しかった。

「誰か来て!!気持ちが悪いわ」