誰もが私を美しいと言った。 かなり窮屈ではあるけれど、 金魚玉は私を宙で泳がせ、 光を集めて私にまとわせた。 袖や裾を靡かせるだけで人々は私を誉めそやす。 屋敷の客間と、 屋敷の庭と、 空の欠片と、 硝子玉。 それしか私は知らないけれど、 世界で私が一番だと思った。