外へ出ると少し肌寒い風が吹き抜ける。


正門を目指し歩いて行くと見たことのある人影が。



「あ…。」


そこにいたのは一人の女子と楽しそうに話す茉莉子だった。


「なぁ諒。茉莉子ちゃんの隣におる子、めっちゃめちゃ可愛え…。」


セミロングの少し茶がかかった髪色で、くりくりした目をしている大人しそうな女の子。

うん、たしかに可愛い。


ちらっと翔太を見ると、もう目がハートになっていて少し笑えた。


今まで翔太が自分から好きになることはあまりないから、こうゆう翔太は久々に見た。


「話しかけてみるか?」

「え、ええかな…?あかんわ俺の心にど真ん中直球ストライクや…。」

翔太は正門に近付くにつれ顔が赤くなっていく。