「はーい席つけー。HR始めっから」
気だるそうに入って来たのは担任の神崎先生だった。
「じゃあ、またあとで!」
茉莉子がそう言うと、俺たち3人は自分の席へ戻った。
窓側が出席番号の早い人たちだから、翔太は真田だから俺の右斜めにいる。茉莉子は翔太の列の隣の一番後ろだ。
横の列は同じなのに、1個間が空いているため茉莉子の姿は見えない。しかも俺の隣は飛び抜けて背がでかい。どんぐり頭の坊主で細身だけれどちゃんと筋肉は付いてみえる。
多分野球部だろう。
黒板に書かれている席の名前を見ると、どんぐり坊主の名前は白漣将人(しらさざまさと)という名前だった。
窓には桜の花弁が吹雪のように散っていて、風に乗ってどこかへ行ってしまった。
春の訪れはもうじき終わる。
でも、ここでも俺は新たな出会いを
春の訪れを感じた。
白漣将人という人物に出会ったから。
